座りすぎのあと無理なストレッチで痛め、痛み止めでも続いた腰の痛みが施術を経て気にならなくなった例(30代男性)
主訴
2026年4月、腰の痛みでご来院されました。長く座りすぎて腰が痛くなり、無理にストレッチをしたことでさらに痛めてしまったとのことでした。病院で痛み止めを1か月飲んでも痛みが続き、不安になってご来院されました。
当院の評価
患者様への説明
動きを確かめると、急にひねる動きで痛みが出やすい状態でした。太ももの裏側(ハムストリングス)、太ももの外側(大腿筋膜張筋)、お尻の奥(梨状筋)が張っていて、股関節の動きが妨げられ、座る姿勢やかがむ動きで腰が肩代わりをしている状態と考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常】長時間の座位後に腰痛、無理なストレッチで増悪/急な回旋動作で痛み/痛み止め1か月でも持続 【所見】回旋動作で疼痛誘発、股関節周囲筋の緊張
身体機能評価
ハムストリングス・大腿筋膜張筋・梨状筋の緊張/大殿筋の筋出力低下/長時間座位の習慣
判断
長時間の座位で股関節まわりの筋肉が硬くなっていたところに、無理なストレッチで腰に負担をかけて痛めたと推測しました。太ももの裏側、太ももの外側、お尻の奥の筋肉をゆるめて股関節の動きを引き出し、ご自宅でのストレッチと大殿筋のトレーニングで、長く座る生活でも腰に負担が戻りにくい状態を目指す方針としました。
施術の様子
患者様への説明
太ももの裏側(ハムストリングス)、太ももの外側(大腿筋膜張筋)、お尻の奥(梨状筋)を手技でゆるめ、股関節が動きやすい状態をつくりました。あわせて、ご自宅で行う太ももの裏側のストレッチと、お尻の筋肉(大殿筋)のトレーニングをお伝えし、長く座ったあとでも腰に負担が集まりにくい体の使い方を目指しました。
専門的内容
【手技療法】ハムストリングス・大腿筋膜張筋・梨状筋への押圧/【セルフケア指導】ハムストリングスのストレッチ/【運動療法】大殿筋のトレーニング
施術の経過
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初期
初回の施術後、痛みはかなり軽くなりましたが、急にひねる動きでの痛みは残っていました。2回目のご来院時には、長い時間座っていたことで痛みが強く戻っていたため、座り方に気をつけていただくとともに、早い段階で原因になっている筋肉のストレッチとトレーニングをお伝えしました。
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中期
3回目から5回目にかけて、痛みの戻りが小さくなり、日常では軽い違和感程度で安定してきました。
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後期
6回目以降は、薬を飲まなくても痛みが気にならなくなってきたため、月に1回のメンテナンスへ移行しました。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円+電気療法 1,650円
2回目以降の料金
施術 7,480円+電気療法 990円
通院の目安
施術回数
約6回で月1回のメンテナンスへ移行(継続中)
施術期間
初回で軽くなるも2回目に戻り、3〜5回目で安定、6回目以降は薬なしで気にならず月1回へ移行
ここでは、この症例の記録とは別に、「長く座ったあとに腰が痛くなり、無理なストレッチでさらに痛め、痛み止めを飲んでも続く腰の痛み」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
ストレッチをしたのに、どうして腰を痛めてしまうの?
長く座っていると、太ももの裏側やお尻の奥の筋肉は縮んだ位置で固まりやすいと言われています。股関節まわりが硬いまま腰を大きく動かすストレッチをすると、股関節ではなく腰が伸ばされ、かえって負担が集まることがあると考えられています。ストレッチそのものが悪いのではなく、硬い場所と伸ばしている場所がずれていたことが問題になりやすいと言われています。
痛み止めを飲んでも続く腰の痛みをどう見るか
痛み止めは痛みを抑える役割を担い、股関節の硬さや座る姿勢そのものを変えるものではないと考えられています。薬で痛みが落ち着かない場合、腰以外に負担のもとが残っていないかを確かめることが、次の手がかりになると言われています。この症例では、太ももの裏側、太ももの外側、お尻の奥の張りが見つかりました。
2回目に戻ったときに、セルフケアを急いだ理由
初回で痛みが軽くなっても、長く座る生活が変わらなければ、負担は同じ場所に戻ります。この症例では2回目に大きく戻ったことで、長時間の座位が負担のもとだとはっきりしました。戻り方が大きい方ほど、施術とあわせてストレッチとトレーニングを早めに始めることが、戻り幅を小さくする手がかりになると考えられています。
座りすぎのあとに出た腰の痛みでは、腰を直接伸ばす前に、太ももの裏側やお尻の奥など股関節まわりの硬さを確かめ、座る時間の区切り方とセルフケアを早めに整えることが、薬で引かない痛みを考えるうえで役立つと言われています。
塩谷 健太痛み止めを1か月飲んでも痛みが続くと、「何か悪いところがあるのでは」と不安になりますよね。この方の場合は、長く座る生活で硬くなった股関節まわりが負担のもとでした。腰そのものを伸ばすのではなく、硬い場所を確かめてからセルフケアを組み立てると、戻り幅が小さくなっていきます。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 1日の大半を座って過ごし、立ち上がるときに腰が重い
- 腰を伸ばそうとストレッチをすると、かえって痛むことがある
- 急にひねる動きで腰に痛みが走る
- 太ももの裏側やお尻の奥が硬く、前かがみで突っ張る
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 1時間に一度は立ち上がり、数歩歩いてから座り直す
- 腰を直接ひねったり反らしたりするストレッチは避け、太ももの裏側を痛みのない範囲でゆっくり伸ばす
- 仰向けで膝を立て、お尻を軽く持ち上げる動きで、お尻の筋肉を使う感覚を取り戻す
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚にしびれや力の入りにくさが出てきた
- 排尿や排便の感覚がいつもと違う
- 安静にしていても痛みが強まり、横になっていても楽にならない
- 発熱や体重減少をともなっている
- 痛み止めを飲んでも痛みが強まり続けている
よくある質問
痛み止めを飲んでも引かない腰の痛みは、何回くらいで変わりましたか?
この症例では、初回で痛みが軽くなったものの2回目に大きく戻り、3回目から5回目で戻り幅が小さくなって安定し、6回目以降は薬を飲まなくても気にならなくなりました。現在は月に1回のメンテナンスで続けています。経過には個人差があります。
ストレッチは続けてもよいですか?
この症例では、腰を直接動かすストレッチで痛めていたため、腰ではなく太ももの裏側を伸ばすストレッチに切り替えてお伝えしました。どこが硬いかによって伸ばすべき場所は変わるため、痛みが出るストレッチは一度やめて確かめることをおすすめしています。
2回目に痛みが戻ったのはなぜですか?
この症例では、2回目までの間に長い時間座っていたことが戻りの理由でした。長く座る生活が負担のもとだとはっきりしたため、座る時間の区切り方とあわせて、ストレッチとお尻のトレーニングを早めにお伝えしました。
塩谷 健太座りすぎのあとの腰の痛みは、硬くなっている場所を確かめてからセルフケアを組み立てると、見通しが立てやすくなります。薬を飲んでも腰の痛みが続いて不安な方は、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。








痛み止めを1か月飲んでも痛みが続くと、不安になるのは当然だと思います。この方は、長く座る生活で股関節まわりが硬くなっていたところへ、無理なストレッチが重なって腰を痛めていました。2回目に大きく戻ったことで、長時間の座位が負担のもとだとはっきりしたので、早めにセルフケアをお伝えしました。6回目以降は薬なしでも気にならなくなり、今は月に1回、状態を確かめながら続けていただいています。