荷物の積み下ろしで痛め、起き上がるのに15分かかった腰の痛みが施術を経て楽になった例(40代男性)
主訴
2025年1月、腰の痛みでご来院されました。12月末に荷物の積み下ろしで腰を痛め、横になると起き上がるのに15分ほどかかるほどの痛みがある状態でした。運送のお仕事で、中腰での積み下ろしをくり返されていました。
当院の評価
患者様への説明
初回はどの動きでも痛みが強く、体をあまり動かせない状態でした。中腰姿勢で積み下ろしをくり返したことで、腰まわりの筋肉を痛めたと考えました。骨折などが疑われる様子がないことを確かめたうえで、まずは痛みを落ち着かせる処置から始めました。動けるようになってからは、股関節が硬いために、かがむ動きで腰が余分に丸まっていることが分かりました。
日常動作・解剖学的動診
【日常】横になると起き上がるのに15分ほどかかる/中腰での積み下ろし動作で受傷 【所見】初回は全方向の体幹運動で疼痛、動作の改善後に股関節の可動性低下→腰椎の過剰屈曲
身体機能評価
骨折等の外傷性所見を疑う様子なし/腰部筋群の損傷を推測/ハムストリングスの緊張/腹斜筋・大殿筋の筋出力低下
判断
中腰姿勢での積み下ろしのくり返しで腰まわりの筋肉を痛めたと推測しました。初回は痛みが強く動きが制限されていたため、骨折などの様子がないことを確かめたうえで、痛みを落ち着かせる処置を優先しました。動けるようになってからは、股関節の硬さで腰椎が過剰に曲がる動きが続いていると考え、太ももの裏側をゆるめ、お腹の横とお尻の筋肉を強くする方針としました。
施術の様子
患者様への説明
初回は痛みが強かったため、ハイボルト(高電圧の電気療法)で痛みを落ち着かせ、座ったまま体を動かしながら鍼を行う運動鍼を行いました。動けるようになってからは、股関節の硬さの原因となっていた太ももの裏側(ハムストリングス)を押圧でゆるめ、運動療法で股関節から体を折る動きを練習し、お腹の横(腹斜筋)とお尻(大殿筋)を強くするトレーニングを進めました。
専門的内容
【物理療法】ハイボルト/【鍼】座位での運動鍼/【手技療法】ハムストリングスの押圧/【運動療法】腹斜筋・大殿筋の強化、股関節主導の屈曲動作の練習
施術の経過
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初期
初回の施術後、起き上がりの痛みが軽くなり、体を動かせる範囲が広がってきました。
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中期
動けるようになってからは、股関節の硬さに対する施術と運動療法に切り替え、痛みは日常でほとんど気にならない程度まで落ち着きました。
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後期
現在は月に1回のメンテナンスを続けながら、運送のお仕事と趣味のスノーボードを楽しまれています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 7,480円(鍼を併用した回は 9,680円)
2回目以降の料金
施術 7,480円(鍼を併用した回は 9,680円)
通院の目安
施術回数
8回(現在も月1回のメンテナンスで継続中)
施術期間
初回で起き上がりの痛みが軽くなり、日常の痛みが落ち着いたあとは月1回のメンテナンスで継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「中腰での積み下ろしをくり返して痛め、横になると起き上がるのに時間がかかる腰の痛み」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
積み下ろしのたびに腰を痛めるのは、腰だけの問題?
荷物を持ち上げたり下ろしたりする動きは、本来、股関節とお尻や太ももの筋肉が大きく担うと考えられています。股関節が硬いと、かがむたびに腰が余分に丸まり、腰まわりの筋肉に負担が集中しやすいと言われています。中腰の積み下ろしをくり返す仕事では、この負担が一日に何百回も積み重なります。
起き上がれないほど痛いときに、最初にすること
痛めた直後で起き上がるのに時間がかかるような時期は、腰まわりの組織が敏感になっていると考えられています。この時期に無理に動かしたり押したりすると、痛みが強まることがあります。骨折などが疑われる様子がないかを確かめたうえで、電気療法や座ったまま行う鍼など、負担の少ない方法で痛みを落ち着かせることが先と言われています。
動けるようになってから、股関節を見直す理由
痛みが落ち着いても、股関節の硬さや、お腹の横やお尻の支える力の弱さが残っていると、同じ仕事に戻ったときに負担が腰へ戻りやすいと考えられています。太ももの裏側をゆるめて股関節から体を折る動きを練習し、支える筋肉を育てることが、くり返しを減らすための取り組みです。この症例の方も、月に1回のペースで状態を確かめながら、お仕事とスノーボードを続けておられます。
積み下ろしで痛めた腰では、痛みが強い時期は無理に動かさず落ち着かせること、動けるようになってから股関節の硬さと支える筋肉を見直すことを分けて考えると、進め方の見通しが立ちやすいと言われています。
二宮 寿己起き上がるのに15分もかかるような痛みは、本当につらいと思います。痛みが強い時期は、電気や座ったままの鍼で負担をかけずに落ち着かせることを優先します。動けるようになったら、なぜ腰に負担が集まったのかを股関節から一緒に確かめていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 中腰での持ち上げや積み下ろしをくり返す仕事をしている
- 横になったあと起き上がるのに時間がかかる
- かがむとき、股関節より先に腰が丸まりやすい
- 太ももの裏側が硬く、前かがみで突っ張りを感じる
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 痛みが強い時期は、横向きで膝を軽く曲げるなど楽な姿勢で休み、起き上がるときは横向きから腕で体を支える
- 痛みが落ち着いてきたら、太ももの裏側を痛みのない範囲でゆっくり伸ばす
- 荷物を持つときは、お尻を後ろへ引いて股関節から体を折り、荷物を体に近づけてから持ち上げる
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚にしびれや力の入りにくさが出てきた
- 排尿や排便の感覚がいつもと違う
- 転倒や強い衝撃のあとに痛みが出て、動かさなくても強く痛む
- 発熱をともなう、または数日たっても痛みが強まり続けている
- 安静にしていても痛みが引かず、夜も眠れない
よくある質問
起き上がれないほどの腰の痛みは、何回くらいで変わりましたか?
この症例では、初回の施術後に起き上がりの痛みが軽くなり、動けるようになってから股関節の硬さに対する施術へ切り替えて、合計8回で日常の痛みがほとんど気にならない程度になりました。現在は月に1回のメンテナンスで続けています。経過には個人差があります。
初回に電気療法と鍼を選んだのはなぜですか?
この症例では、どの動きでも痛みが強く、押したり動かしたりする施術が負担になる状態でした。骨折などが疑われる様子がないことを確かめたうえで、ハイボルト(高電圧の電気療法)と座ったまま行う運動鍼で、負担をかけずに痛みを落ち着かせることを優先しました。
仕事で積み下ろしを続けながらでも、進められますか?
この症例の方は、運送のお仕事を続けながら経過をみました。痛みが落ち着いたあとに、股関節から体を折る動きとお腹の横やお尻の筋肉のトレーニングを進め、月に1回体の状態を確かめながら、お仕事と趣味のスノーボードを続けておられます。
二宮 寿己荷物の積み下ろしが多いお仕事では、腰を痛めたあとの進め方で、その後のくり返しやすさが変わると考えています。起き上がるのもつらい腰の痛みで困っている方は、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。






起き上がるのに15分かかるほどの痛みでしたので、初回は無理に動かさず、痛みを落ち着かせることを優先しました。動けるようになってから股関節の硬さが見えてきたため、太ももの裏側をゆるめて股関節から体を折る動きを練習し、お腹の横とお尻の筋肉で支えられるようにしていきました。積み下ろしの多いお仕事ですので、月に1回のペースで体の状態を確かめながら続けていただいています。